(Vol.180)「シリーズ・『薬機法』を理解しよう ③サプリメントと医薬品の境界線はどこ?part1」

コンプライアンス講座-第180回-


前回までの記事で、次のことが分かりました。

1. ただの食品であるはずのサプリメントが、薬機法上、医薬品とみなされる場合がある
2. その結果、 “承認を受けていない医薬品の販売”として、サプリメントの取扱いが薬機法違反となる場合がある

これを踏まえて、「ではどういう場合に、サプリメントが医薬品とみなされるのか?」という点を解説してゆきます。
法律上、食品と医薬品は、これから紹介する4つの要素から区別されます。
これらのいずれかで医薬品と判断された場合には、承認を受けるなど、医薬品の取扱いルールを守らなければならなくなり、それができていない場合には薬機法違反となるのです。

(1)成分・原材料
医薬品でなければ使ってはいけない成分・原材料を配合していると、その時点で医薬品とみなされます。
毒性が強いことで有名なトリカブトや、意外ながらアロエ(液汁部分のみ。根や葉肉は非該当)など、様々な成分・原材料がリスト化されています。
サプリメントを新たに作ったり、輸入販売したりする事業者は、あらかじめこのリストを十分に確認した上で、国内で食品として流通させているのです。

(2)効能効果
サプリメントが医薬品と見なされるケースでもっとも多いのが、この項目に該当するパターンで、チームメンバーの皆さまとしても最も気を付けなければならない項目です。
製品のパッケージ表示や、紹介を行う際に、次のような効能効果を目的としているかのような表現を用いると、それは医薬品とみなされます。

【病気の治療又は予防】
(例)
● ガンに効く
● 血圧を下げる
● 血糖値を下げる
● 生活習慣病の予防に
● 動脈硬化の予防に
● 緑内障の治療に


【体の機能の一般的増強、増進】
(例)
● 体力増強もしくは増進
● 疲労回復、精力回復
● 老化防止、記憶力向上
● 細胞の活性化
● 血液をサラサラに
● 風邪を引きにくい体に
● ○○機能向上・回復
● 新陳代謝を高める
● 血液を浄化する


前述のアンダーライン部分、“目的としている”という部分が重要ポイントです。
実際に効果があるかどうかは、薬機法においては問われません。

たとえば、ただの水をビン詰めして、「この水を飲むとガンを予防することができます」と告げた場合、実際の効果はおそらくないでしょうが、ガン予防を目的とするような表現を用いたということで、その水は医薬品の扱いとなるのです。

また、効果をはっきり告げる表現だけでなく、以下のような遠回しな表現も、同様に効能効果を告げたことになります。

薬機法でサプリメントが取り締まりを受けるケースは、今回解説したうちの(2)、効能効果を謳ったことを理由とするものが非常に多いと言えます。
製品のすばらしさを伝えるための情熱や、熱を帯びた語り口は、場合によってはオーバートークの引き金にもなってしまいかねませんので、常に冷静さを忘れず、「言い過ぎてしまっていないかな?」ということを自問するよう徹底しましょう。

次回も、サプリメントと食品の境界線について解説します。

シナジーワールドワイド・ジャパン合同会社

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