コンプライアンス講座 -第94回-

小売販売について 第1回 『氏名等の明示』ルール

前回、「シナジー製品の小売販売は、おおよその場合において特定商取引法上の『訪問販売』にあたる可能性が高い」というお話をしました。
そこで今回から、シナジーのチームメンバーであるAさんが友人のBさんに小売販売を行うというケースを想定し、そこに関わってくる訪問販売のルールを解説していきます。

<状 況>
シナジーのチームメンバーであるAさんは、友人のBさんが最近サプリメントに興味を持ち始めたという噂を耳にしました。
AさんはBさんとお会いして食生活などの状況を伺い、もしシナジー製品に興味を持っていただけそうなら、メンバー登録の前にお試しとして、シナジー製品をBさんに直接販売したいと考えています。

<手 順>
Aさんは、Bさんにシナジーのお話をする前の段階で、必ず以下の(ア)~(ウ)についてお伝えしなくてはなりません。
(ア) 自身の本名(法人として活動している場合は法人名も)を伝える
(イ) シナジーワールドワイド・ジャパン合同会社という会社のサプリメント、化粧品、日用品を、自身がビジネスとして扱っていることを伝える
(ウ) Bさんにシナジー製品をご紹介したいと思っていることを伝える

<解 説>
ルールの概要
これは、特定商取引法の中の『訪問販売』の規定において『氏名等の明示』と呼ばれているルールです。事業者は(ア)~(ウ)の事項を、取引の相手方に対し、「勧誘に先立って」告げることが義務付けられています。
ビジネス(連鎖販売取引)の勧誘におけるルールにも同じものがありますが、(ウ)の部分が異なっています。ビジネス勧誘の場合は「シナジー製品を購入することで、どんなビジネスになるのかを伝える」義務が発生しますが、今回のケースは製品販売が唯一の目的なので、そのことを明確に伝える義務が出てきます。

このルールが作られた経緯
なぜこのルールが作られたのかというと、それは、「別の理由で声をかけてきたのに、いつの間にか商品の勧誘になっていて、自分には必要なかったものの、話術が巧みで(あるいは強引で)断りきれず買わされてしまった」といった消費者トラブルが、少なからず発生してきたためです。
一時期世間を騒がせた「悪質リフォーム業者」などはこの類のトラブルの代表例でしょう。
事業者のセールストークが始まる前、最も断りやすいタイミングで断れる機会が消費者には提供されるべきだという考えから、このルールが成立しました。

注意すべきポイント
• ご紹介が始まった後にお伝えしても手遅れ
シナジー製品のご紹介に至る経緯やシチュエーションというのは現実としてさまざまですが、どのような状況においても、製品のご紹介に入る前の段階で(ア)~(ウ)の3点が必ず伝わっている必要があります。

• 外で会うならアポイントを取るタイミングで伝える
どこかにお連れしてそこでご紹介を行う場合(セミナーや喫茶店等、場所を改めてグループの方に説明をお願いする場合など)は、実際にお話を始める直前ではなく、アポイントを取るタイミングで伝えておく必要があります。 例えば、セミナー会場に入る間際にお伝えするのはNGです。なぜなら、そこまで行って「そういうことなら帰ります」と踵を返すのは一般的なコミュニケーション感覚から考えて難しいためです。

このルールの主旨は、「消費者に断る機会を事前提供しましょう」という点にありますから、それを叶えにくいタイミングで伝えたとしても規定をクリアしたとは認められず、違法勧誘と見なされてしまいます。

相手が友人の場合、「突然改まるのはなんだか気恥ずかしい…」という気持ちが出てしまうかもしれません。
また、「初めに目的を伝えてしまうと、魅力を伝えられないまま断られてしまう…」という心配もあるかと思います。ですが、あらかじめきちんと伝えておかなければ、
「突然売りつけられてビックリ」
「本当の目的を隠して約束を取りつけられたのはなんだか不愉快・・・」
と気分を害してしまい、よかれと思ってのご紹介が逆効果になってしまうこともありますし、最悪、人間関係にヒビが入ってしまう恐れもあります。

このような状況に陥ってしまうのは非常に怖いことですし、そもそも法律上のルールですので、避けることはできません。
堂々と、気持ちよく製品のお話をするためにも、また、信頼関係を築いてシナジー製品を継続購入していただくためにも、「伝えるべきことは伝える」ことを徹底したいものですね。

次回は、実際にご紹介をスタートした後の手順に続きます。

シナジーワールドワイド

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