コンプライアンス講座-第154回- 「シリーズ・『特定商取引法』を理解しよう ④書面の交付 Part.1」

コンプライアンス講座-第154回-


今回から、特定商取引法の大きな特徴にもなっている、『書面の交付』ルールについて解説してゆきます。

『書面の交付』とは、「シナジーをご紹介した方にチームメンバー登録を行っていただく際や、小売販売として直接シナジー製品をお譲りする際などには、法律で定められた事項が網羅された書面をお渡ししなければなりません」というルールです。

お相手の方に契約内容や解約条件についてきちんとご理解いただくために、口頭説明だけでなく書面交付まで行うというのは、のちのちのトラブルを回避するという点で大変重要です。
法律上の義務だからという以前に、事業者としての社会的責務を果たすために、正確に理解し、徹底しましょう。

さて、私たちは日常生活の中で、さまざまな場所で買い物をしますが、それら一つ一つ、すべてが“契約”によって成り立っています。
契約と言われると、「書類を読んで納得したらサインし、印鑑を押して成立する取引」という堅苦しいイメージがありますが、実際には、A「これが欲しいです」→B「〇〇円でお売りします」という普通の買い物もまた、売買契約というタイプの契約行為であり、私たちは日常的に契約を繰り返しながら生活しているのです。

契約とは本来、(公序良俗に反しない限り)双方の合意だけで成立するものですし、すべて書面に残す必要があるわけでもありません
コンビニのレジで一つ一つ書面を取り交わしていたら大変なことになってしまいますので、そういった場面ではスピード重視の契約が、商習慣として浸透しているのですね。

一方で、規模の大きな契約や、お互いの義務/責任が複雑な契約ともなると、どうしても口頭で交わした合意だけではトラブルに発展してしまいがちですので、そのような事態に備えて、契約にあたっての決まりごとを書面にして記録します。
これがいわゆる“契約書”を用いた契約ですが、行為としては、コンビニでの買い物と大きな違いはありません。

このように、契約を誰と、どのように、どういう方法で行うかは当事者同士の自由であり、この考え方を『契約自由の原則』と呼びます。

しかしながら、取引の内容が複雑であったり、歴史的にトラブルが頻発してきたものなど、法律によって、契約内容に関する書面を相手方に渡すことが義務付けられている取引タイプもあります
その一つが、特商法の訪問販売や、連鎖販売取引、つまりMLMビジネスです。

次回は、特商法の書面ルールについて具体的に解説してゆきます。

シナジーワールドワイド

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