コンプライアンス講座 -第91回-


特定商取引法:禁止行為 その3

特商法における禁止行為の解説の3回目となります。

■特商法における禁止行為
5. 判断力不足に乗じての契約
十分な判断力が備わっていないことが明らかなのに、それを分かっていながら契約を行う行為は特商法に抵触します。例えばスポンサーしようとする相手が未成年者や高齢の方の場合、判断力が十分でないとみなされる可能性があります。未成年者に関しては、シナジーではそもそもご登録いただけないルールになっていますが、ご高齢で判断力に不安のある方(認知症の症状の有無に係わらず)についてはとりわけ注意と配慮が必要です。いわゆる“振り込め詐欺”をはじめとする犯罪行為等がそういった方々をターゲットとして行われる傾向にあるため、ご家族など周囲の方が「騙されているのでは…?」と警戒心を抱きやすく、消費者センターを巻き込んだ大きなトラブルになることがあります。最悪のケースでは、不当な勧誘だったと認定されてしまうことにもなりかねません。

また、高齢者であろうとなかろうと、相手の方が話についてこられないような場合は、特にオートシップの設定については十分すぎるほどに説明を行いましょう。毎月購入することについてきちんとご本人が理解できていない場合、“送りつけ商法”だと誤解されてしまい、トラブルの発端となりかねません。最近では一般の通信販売でも自動購入システムを導入する事業者が増えたため、「一度しか注文していないのに何度も届く。返品したい」というトラブルは実際に少なからず発生していて、市民に向けて注意喚起している自治体もあります。もし、シナジー製品をご紹介したい方の判断力に不安があると感じた場合は、あらかじめご家族に説明・相談を行うといった配慮が求められるでしょう。まわり道にはなりますが、結果的に信頼を得ることにつながり、安定したビジネス成果を生み出します。

6. 個人の状況から不適当な勧誘
知識、経験、財産などの状況から客観的に見て、不適当と認められる勧誘を行う行為も禁止されています。
<NG事例>
 • 経済的に困窮状態にある方に対し、「大丈夫、すぐに元は取れるよ」などと言って消費者金融で現金を借り入れさせ、チームメンバー登録させた。
 • サプリメントの知識に乏しい方に対し、「一度にこれくらい飲まないと意味がないよ」などと言って一般的な摂取量を大幅に上回る数量を購入させた。

これは『適合性原則(てきごうせいげんそく)違反』と呼ばれているルールです。適合性原則とはあまり耳馴染みのない言葉ですが、これは、「事業者は、顧客に適合しない(つまり相手の方にとって適当/合理的とは言えない)商品・サービスの勧誘をしてはいけません」という消費者保護の概念です。
もともとは金融商品取引の分野で生まれた業界ルールだったのですが、2004年に特商法や、もっと広い範囲をカバーする『消費者基本法』に組み込まれることになったため、今では業界を問わず、消費者保護ルールとして確立しています。NG事例を見ても分かるとおり、別の禁止行為と同時に成立することも多いため、実際の行政処分ではよく目にする違反行為です。条文の中に「何々を○○したらNG」という明確な線引きはなく、ケースバイケースで判断されることになりますので、相手の方の生活環境などによく目と耳を向け、場合によってはシナジーメイト(愛用者)登録をお勧めするなど、慎重に判断を行いましょう。

7. 虚偽の記載による契約
契約書の作成に際し、年齢や職業などについて虚偽の情報を記載させる行為も禁止されています。
<NG事例> 
• 登録してもらいたいがために、学生(または未成年者)にウソの職業(もしくは年齢)を記載させた。

当たり前のことではありますが、契約書にウソを書かせることは絶対にやってはいけません。
状況によっては『私文書偽造罪』などの犯罪行為ともなりますので、安易な行動は絶対にやめましょう。

「特定商取引法: 禁止行為」と題し、全三回に渡って「してはいけないこと」を解説してきました。ごく当たり前のことを文章化したものに過ぎないということはお分かりいただけたことと思います。
このような行為は、行ってしまった時点で法律違反ですので絶対にしてはならないのですが、もし仮にそういった行為を行ったことでサインをいただけたとしても、後になってほんの些細なほころびから信頼関係が壊れてしまうきっかけになったり、トラブルの火種になってしまう可能性が高く、安定した長期的なビジネスの障害にしかなりません。
目先のスポンサリング件数だけを考えることなく、お一人お一人の生活環境やニーズをよく考えた上で、長いお付き合いを前提としたスポンサリング活動を心がけましょう。

シナジーワールドワイド

CONVERSATION

Instagram

Follow Us